亡き父の事

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昨日から何故豚汁が私の頭から離れないか、そして今日何が何でも豚汁と秋刀魚、なわけをお話しします。
すっかり忘れていたのですが、今日は父の8回目の命日だったんです。

父は我侭で強烈な個性の持ち主でした。
昔のお父さんは皆そんなだったかもしれませんが、母も私達もいつも父の顔色をうかがって暮らしていました。
反抗期には泣いて意見を聞いてもらおうとしましたが、いつも負けました。
学校が終わると私は家出同然の一人暮らしをして、とにかく父のもとにはいたくなかったのです。そして父とは正反対の性格の主人と結婚しました。

長男がお腹にいた頃、仕事オンリーで帰りの遅い主人を寂しく待ちながら、よく母に電話をしていました。
今考えると少しマタニティーブルーだったようなのですが、出産の不安を抱えて気持ちのやり場がなく、その日も買い物の途中で実家に電話しました。
「秋刀魚を買ったんだけど、他におかず何が合うかな〜」
心とは裏腹に何気なく明るく言ったのを覚えています。結婚したばかりで親に心配かけたくないのと、出て行ったら2度と戻ってくるな,という厳格な父の言葉が頭にあったので、精一杯強がっていました。

電話に出たのは父でした。
「豚汁がいいよ。」即座にそう言うと「男子厨房に入らず」で暮らしてきた人なのに、意外にも豚汁の作り方を細かく教えてくれたのです。そしてお腹の子供に栄養を与えなくてはいけないからとも。

もうその時は父とのわだかまりが溶けていく嬉しさと、ホームシックとで泣きながら受話器を持っていました。
それから心を許して出産の不安を打ち明けると、「お父さんだってお前が生まれる時は同じ心配をしたけど、そんなに元気な子が生まれたんだから、くだらない心配はするな。お腹の子に伝わるから!」と一喝されました。
その一言で私の心からス〜っと不安が消えていき、その先くだらない心配をすることはありませんでした。

秋になって秋刀魚が出始めると必ず父の事を思い出しながら決まって豚汁を作ります。
今日の命日を忘れていた私ですが、ちゃんとそれだけは忘れずに作っていたんです。
しかもその日にです!

泣いて反抗して父を超えようとした子供時代の事、どんなことを思って子育てをしていたのか、今会って話がしてみたい。

何故か今日は無性に父に会いたいです。

by quilt4 | 2004-10-15 23:12 | FOOD&HEALTH | Comments(16)

Commented by happydogs2 at 2004-10-15 23:27 x
私は小さい頃から父と2人で暮らしているので、父の我侭も優しさも頑固さも色々見てきました。密かに尊敬し一生超えられないだろうと思っていますがいつまでもいつまでも自分の前を歩いていて欲しいと思っています。
私もいつか父を懐かしく思うときが来るのかもしれませんが・・・まだまだず~っと先で有って欲しいと願っています。私が父を思い出す時、きっとそこには「おいなりさんかおはぎ」が有ると思います(*^_^*)
ホントは孫の顔を見せてあげたい。。。
Commented by quilt4 at 2004-10-15 23:41
うちの父も(孫が)結婚するまではいきておれないだろうなぁ、が口癖でした。父と娘っていいもんですね。ベタベタしていなくても心が通じてる。私嫌いだった父に似てると思う時あるんです(笑)お父さん、おいなりさんとおはぎが好きなの?親孝行してね!
Commented by ikkyuu_as_cousaku at 2004-10-16 04:14
父上と、quilt4さんの心の交流が見えました。その、電話で話された後、電話を切って父上もquilt4さんのことを思って泣かれたかもしれません。今となってはわからないことではありますが。
Commented by quilt4 at 2004-10-16 08:55
お互い我侭な意地っ張りでしたからね。思っていてもなかなか優しい言葉等口にすることはありませんでした。親の事は親になってみないとわかりませんね。それにしてもオトコの中のオトコでしたよ,彼は(ファザコンです、わたし)
Commented by u- at 2004-10-16 21:04 x
強烈で印象深いお父さんですね。八年経ってもなお鮮烈にそこにいらっしゃるお父さんとは、素晴らしい親子関係をお持ちだと羨ましく思います。
私は末っ子のせいか、たぶん甘えさせてもらったのかもしれませんが、深いところの父娘の感情を頂いて育ってはいませんので、長女と父のQuilt4さんがなんか羨ましく思います。お父さんはきっと、あなたのことを心底心配させていたんでしょうね・・・。あいたいですね。
Commented by quilt4 at 2004-10-16 21:29
今時の親子のように友達みたいにはなれませんでしたが、(年取ってからの子でしたし)口に出さないでも通じるものがあったのかもしれません。怒鳴られたりケンカした思いでばかりですが、子を思えばこそですものね。親になると子供を叱る事のエネルギーもたいへんなことがわかります。話がわかるだけではだめです。
いなくなって親のありがたみがわかる・・そんなものなんですね。
末っ子に対する親の気持ちもちょっと特別みたいですよ。覚えていないだけで、きっととてもかわいがられたんじゃないですか!?
Commented by mommyusa at 2004-10-16 21:32
ちょっと我家と似ているなーと思いました
(ただ孫に関してはでれでれで私たちのときとは全然違います)。
私も友人の父親とは全く違う父に子供の頃から密かに反発を
覚えていました。
幼い頃「マスオさんみたいな人と結婚する」と言ったらしいです。
でも、結婚して父の大きさを理解できるようになったような気がします。
私も父とは反対のヒトと結婚しようと思ってそうしたつもりなのですが、
案外似ているところもあって、私も隠れファザコン?!
Commented by mikansky at 2004-10-16 21:39
私は父が苦手です。
どうしても「好き」だと言い切ることはできません。
自分がもっと年をとったとき、
quilt4さんのように思えるかどうか。
葛藤があります。
Commented by quilt4 at 2004-10-16 22:45
mommyusaさん
とにかく優しい人は安心出来ますよね。でもね、年とってみるとオトコの優しさって一体何?っていろんな疑問が事あるごとに湧いてくるものなんです。優しいと優柔不断の見極めが難しいわけですよ(笑)
強い父親バンザイです!
Commented by quilt4 at 2004-10-16 22:56
mikanskyさん
死んじゃうとね、どんなことも美談になってしまうのですよ。
私だって嫌いで嫌いで仕方なかった。親の愛とは思えない言動だってありましたからね。でも,今になるとその人間臭さを一人の男として捉えている自分がいるのですよ。
確かに私の中にも血が流れているのだし、時々フッと父の性格を自分の中に垣間みたりするわけです。
死んじゃったから、なんです。もし会う事が出来るなら、すぐ又けんかで
すよ、きっと(笑)
Commented by Akinokaze at 2004-10-17 21:47 x
とてもシャイなお父さんではなかったのかな。
私も父のこと思い出しました。 いつもえばっていて いつもきちんとしていて(ごろんとよこになることがなかった) かなりのヘビースモーカーで
毎日のように お土産をかってきて (デパ地下大好き) 子供は嫌いだったけど 孫はかわいがっていた。 おまえたちの世話にはならないからというのが口癖だった。 ほんとうに 最後は そうでした。 すこしは お世話したかった。 私の子供もみてほしかった。 もう32年経っちゃったね。
Commented by quilt4 at 2004-10-17 23:33
何だかそっくりです。うちの父も変なもの買って来ては驚かされました。(犬だったり、猫だったり)そしてタバコをやめてからは吸っている人を気嫌いすること甚だしく、お前達の世話にならないの口癖はボケが入って来たら忘れたようで、最後は実家通いをしましたよ。父親談義で朝まで飲めそうですね(笑)
Commented by y_hirosawa at 2004-10-18 05:44
うちの父はまだ健在なのですが、将来家庭を持ったときは(とはいえ、その可能性が私の場合はないかも? 笑)そんな気持ちになるかもしれないとか、実際いなくなってみてから思うこととかいろいろ想像しながら読ませていただきました。

うちの父も典型的な日本のオヤジって感じの人で、口より手が出るタイプでした。子供の頃は父親の顔色をうかがっていたのを覚えています。

うちは4人姉妹プラス母という、女性に囲まれた環境だったので、私たちが大きくなって必然的に女は女につくという状況になってくると、父親の居場所がなくなる・・・となっていったのですが。

私は比較的父親に対する反抗期が長かったのですが、父親が年を取ったのか、私が丸くなったのか、家を出た今は穏やかに話のできる関係になってきたかな?と思います。

今みたいな「友達親子」にもあこがれていましたが、子供のときからぶつかり合って最後は穏やかな関係になる・・・今の時代あまりないのかもしれないけれど、私にとっては必要なことだったのかもしれないな・・・と思い出させるひとときでした。

いいお話、ありがとう
Commented by quilt4 at 2004-10-18 13:59
うちも女姉妹が3人の弟1人と母。その男の子一人に期待をかけたのか、弟も対立していましたね〜亡くなった時は男泣きでした。

年が離れていたもので今穏やかに世間話が出来る状態の時にいないんです。羨ましいです。ぶつかり合った親子ほど仲良くなれるのかもしれません。
大切にしてあげてください。口に出さなくてもとても心配しているはずです。
Commented at 2004-10-19 12:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by quilt4 at 2004-10-19 16:06
keyさん
そんな心境の時に来て下さるのが私にはとても嬉しい。
みんな、みんな、子供も猫も犬もみんな元気で楽しく暮らしたいね!